TAKANAWA GATEWAY CITY -高輪ゲートウェイシティ- 高輪リンクライン


東京都港区高輪2丁目21


建築・事業主  東日本旅客鉄道株式会社 

設計    品川開発プロジェクト(第1期)設計共同企業体ーJR東日本設計・JR東日本コンサルタンツ・日本設計・日建設計
施工    大林組(第1期)
開業    2025年3月27日(第1期)

2025年7月28日 高輪リンクラインにて ライブ録音をしました。バイノーラル録音なので、イヤフォーン・ヘッドフォーンででお聴きください。
周囲の都市騒音の中から、 夏Day:7月の昼過ぎにながれる野鳥と環境音楽のプログラム  夏Night:7月の19時30分頃の汽車通過の情景音に続いて環境音楽が聞こえています。



2020年、JR東日本は、品川車両基地だった跡地に山手線の新駅 高輪ゲートウェイ駅を開業し、”100年心豊かなくらしのための実験場“としてまちづくりを進めています。
2025年3月には、TAKANAWA GATEWAY CITYの THE LINKPILLAR 1 NORTHとSOUTHが一期開業し、2026年春にはグランドオープンします。
THE LINKPILLAR 1 の国道15号線側には、高輪リンクラインというストリート空間があり、 高輪辻広場から泉岳寺辻広場にいたる約300mには、在来種を基調とした植物に囲まれたベンチが点在して、街を訪れる人だけでなく、地域の方々にも新しい散歩道として親しんでいただいています。


TAKANAWA GATEWAY CITY のランドスケープデザイン | TAKANAWA GATEWAY CITY


高輪リンクラインのサウンドデザイン

 
ー 寛ぎのサウンドスケープ企画 ー

サウンドスケープとは “音風景” 音で描く風景という意味です。
当社はリンクラインの3か所に、季節を感じさせる自然音と音楽で 心地よいサウンドスケープを描きました。
環境音楽は 初夏に花を咲かせ 秋に実を結ぶ樹々の表情をイメージして制作し、自然音は 野鳥のさえずりやせせらぎの音など、関東圏で実際にフィールドレコーディングした音源を使用しています。
また この高輪リンクラインは、明治期に初めて鉄道が開業した際に 高輪海岸沿いの海上に鉄道を走らせるために、西洋の蒸気機関 鉄道技術と日本の築城で培われた土木技術や知恵を融合させて堤を築いた「築堤」という場所です。
その築堤に使われた石が植栽を囲み、歩道には鉄道のレールが再現されています。
隣接する工事区画との境界壁には鉄道の歴史が描かれていて、当社のサウンドスケープにも SLの汽笛や走行音が時折聞こえる演出を盛り込みました。年間で88のプログラムを楽しんでいただけます。


ー 寛ぎのサウンドスケープ 88景 ー


サウンドスケープのプログラムは、二十四節気と植物や野鳥などの生態を基準にした季節と、一日の朝・昼・夕刻・夜・深夜と時間の流れを、さらに汽車の汽笛や列車が通過するシーンも加えて、年間を88プログラムで構成しています。


ー PipeSpeaker ー


PipeSpeakerは低音域の再生に優れていて、高輪リンクラインの暗騒音をマスキングする効果が期待されています。
高輪リンクラインは国道15号線に近く、時間帯によっては車の走行音など いわゆる都市騒音が大きくなってしまいます。また2026年春のグランドオープンに向けて建築工事が進められおり、昼間の時間帯は工事音も聴こえます。これらの騒音を聞こえなくする方法は残念ながらありません。しかし、PipeSpeakerのサウンドが人の意識を騒音から逸らしてくれるマスキング効果があります。
このマスキング効果を高めるために、サウンドコンテンツ制作の最終段階で現場調整作業を行いました。特に音楽コンテンツは 実際に現地のPipeSpeakerから再生し、より聴きやすく、より心地よいサウンドになるように音響音質の調整(トラックダウン)を行いました。